JA talk:Key:name
'int_name'の重要性について
序
『国際名(注: 代わりに特定の言語での名前(name:en=...)の使用を検討してください。国際名は(必ずしも)英語を意味するわけではありません。』
JA:Key:nameにある上記の記述を曲解して 『検討してください。』とあるにも関わらず、いきなり`int_name`を`name:en`に機械的に置き換えるマッパーがいます。
機械的編集を行うなら、日本コミュニティで議論を行ってコンセンサスを得た上でやってもらいたいものです。
また、JA:Key:nameには
『他の名前はすべて、それぞれの言語でのnameタグ(name:trやname:elなど)または派生名(loc_nameやold_nameやalt_nameなど)に入れてください。』
ともあります。「`int_name`」も`loc_name`や`old_name`や`alt_name`と同様の派生名です。 さらに、日本ではギリシャのように `int_name`に翻字をいれるということは行われていません。日本の事情も考慮せずに`int_name`を消したり、適切に設定済みの'name:en'を不完全なローマ字や略称に書き換えることはやめていただきたいものです。
ということで、ここでは日本の「案内標識」に記載された「国際表示名」を `int_name`として、`name:en`とは別の項目としてタグ付けすることの必要性を示します。
「国際表示名(int_name)」について
日本の道路の「交差点(junction=yes)」、「橋(man_made=bridge)」、「通り(highway=*)」には「案内標識」が設置されている場合があります。 案内標識の国際表示部分を`int_name`としています。

国際表示部分(`int_name`)は国交省の告示[1]によって、ローマ字を原則としていますが、平成26年より普通名詞部分を英語表記[2]にする切り替えが行われています。ですから、`int_name`は「ローマ字」でも「英語」でもない単なるアルファベット表記です。
そのため、`int_name`は、現実の「案内標識」に記述されているとおりにタグ付けすれば良いです。ローマ字か英語かを判断する必要はありません。
また、`int_name`は、`offical_name`や`alt_name`と同様に、`name`とは別の項目です。`int_name`があるからと言って、すでにタグ付けされている `name:en`や`name:ja-Laten`を無理に変更する必要もありません。
国際表示は、基となる日本語と一致しないことが頻繁にあります。
- 例:「虚空蔵橋際」→「Kokuzobashi」と「際」が省略されている
'name:en'は「案内標識」を表すとは限らない
一方で、'name:en'は「案内標識」の「国際表示名」を表すとは限りません。
「案内標識」がなくとも 名が知られた交差点 は存在します。
- 「鍵屋の辻[3]」のように「案内標識」がなくとも「説明板(information=bord)」がある場合があります。「説明板」に記載された英語名を 'name:en'に記載することは何ら問題ないです。(但し、このノードにはすでにwikidataタグが設定されたため name 関連の項目はロックされています。)
また、案内標識や説明板がなくとも地元の伝承などで名称が伝わっている「〇〇追分」とか「木戸」「見附」などのような地元の知識をベースに「name」や「name:*」を入れることもOSM的にはありだったはずです。
もちろん、`int_name`があるならば、`int_name`を参考にして「name:ja-Laten」や「name:en」を設定するケースのほうが多いでしょう。 ただし、その場合は [JapanTagging]や[JA:Key:name]に従い、「案内標識」のような省略形やローマ字・英語の混在表記を避け、正しい「name:ja-Laten」「name:en」をタグ付するように推奨されています。
- 例えば、「`name=虚空蔵橋際`, `int_name=Kokuzobashi`[4]」とされているなら、「`name:ja=虚空蔵橋際`, `name:en=edge of Kokuzoh bridge`, `name:ja-Laten=Kokuzōbashi kiwa`」を追加することになるでしょう。(決して、`name:en`が追加されたからと言って`int_name`を削除しないでください)
また、地名の読み仮名が異なる表記の場合があります。

- ここに例としてあげた「虚空蔵橋際[4]」の由来となっている「虚空蔵橋[5]」は「ごくぞう(Gokuzoh)」です。交差点の案内表示では「こくぞ(Kokuzo)」と表記されており、橋と交差点では表記が異なっています。
- このように、標識によって地名のよみが変わるというのは意外と多くて、有名なところでは東京都千代田区の秋葉原[6]の表記が「アキバハラ/アキハバラ」の2通りあります。秋葉原付近の地物をマッピングする際には読みがなの表記がどうなっているのかに注目してマッピングしてみてください。
もう一つ、道路の「案内標識」が存在するのに 「案内標識」の表示とは別の値が name に設定されている例も示します。特に海外にも認知されるような著名な地物でこの傾向が見られます。これは、「name:en」の本来の使い方であるとも言えます。
- 「渋谷スクランブル交差点[7]」: 現地の「案内標識」では 「渋谷駅前/ Shibuya Sta.」と表示されているが、下記に示したように 「`name=渋谷駅前交差点`, `name:ja=渋谷スクランブル交差点`」 の名称が設定されています。
junction=yes
int_name=Shibuya Sta.
alt_name=渋谷スクランブル交差点
alt_name:en=Shibuya Scramble Crossing
name=渋谷駅前交差点
name:de=Shibuya Crossing
name:el=Διαστα?ρωση Σιμπο?για
name:en=Shibuya Crossing
name:es=Shibuya Crossing
name:eu=Shibuyako bidegurutzea
name:fa=????? ??????
name:fr=Shibuya Crossing
name:he=???? ?????? ?? ??????
name:id=Persimpangan Shibuya
name:it=Incrocio di Shibuya
name:ja=渋谷スクランブル交差点
name:ko=??? ???? ???
name:ms=Persimpangan Shibuya
name:pt=Cruzamento de Shibuya
name:ru=Сибуйский диагональный пешеходный переход
name:th=???????????????
name:zh=澀谷路口
wikidata=Q21083961
wikimedia_commons=Category:Shibuya Crossing
wikipedia=en:Shibuya Crossing
(name関連項目のみ抜粋)
なぜ「int_name」が必要か
「案内標識」の「国際表示名」はマッパーの主観が入らない生の一次データだからです。しかも、OSMだけにある貴重な情報です。
今は`int_name`の認知度が低いため、せっかく知べた「国際表示名」を「name:en/name:ja-Laten」にしてしまっていると思われます。 これまで述べたように「name:en/name:ja-Laten」にすると正しい英語やローマ字に改変される場合があります。また、「name:en/name:ja-Laten」がセットになることでどちらが「国際表示名」かわからなくなります。
事実情報をsurveyした`int_name`は、マッパーの知識を基にした「name:en/name:ja-Laten」とは別にする必要があります。
また、地図として見た場合、多国語も重要ですが、現地表記がどうなっているかも重要です。「int_name」と実物の「国際表示名」とが一致することでその地点が特定されるからこそ「各国語」が意味を持ちます。 先の具体例でいうと、英語話者の観光客が「name:en=Shibuya Crossing」を目的に渋谷にやってきて現地の「案内標識」に「int_name=Shibuya Sta.」を確認することでその場所が「Shibuya Crossing」だということを知ることができるということです。
「int_name」を「name:en」に置き換えることの意味
いままで説明したことをふまえて、冒頭の`int_name`を`name:en`に機械的に置き換えるという行為がなにをやらかしているかを具体例で説明します。
先の「渋谷駅前交差点[7]」では 下記のように[8]のようにやらかしています。
| 変更点 | 変更による影響 |
|---|---|
| `int_name=Shibuya Sta.`を削除 | 「国際表示名」を削除したことにより、現地の「国際表記名」のデータが失われただけでなく、「国際表記名」の有無もわからなくなりました。 |
| `name:ja=渋谷スクランブル交差点` を`name:ja=渋谷駅前交差点` に変更 | WikipediaやWikidataで国際的に認知された名称から変更されています。 |
| `name:en=Shibuya Crossing` を `name:en=Shibuya Sta.` に変更 | * 変更した本人は「国際表記名」を`name:en`に移したつもりでしょうが、「name:en」には「国際表記」の意味は含まれていませんので、単に「Shibuya Crossing」という交差点名が「Shibuya Sta.」駅名に変わったようにしか見えません。(しかも、英語表記だけ)
|
要するに、改悪行為以外の何物でもありません。
それでも「int_name」を消したいなら
ここまで述べたように「int_name」を消す理由など微塵も存在しないのですが、それでも「int_name」を消したいと言うならば、合理的な代替案を提示する必要があります。
『name:en』には英語話者向けの役割があるので「int_name」の受け皿にはならないというのは上に説明したとおりです。
可能性が高いのは「name:ja-Laten」を「国際表示名」専用とする。というような決まりごとを作れば、「int_name」→「name:ja-Laten」は可能と思います。 ただし、現行の規約を守ってマッピングしてきた人たちのデータとの整合性や 「name:ja-Laten」のマクロン付きの文字の問題を解決できればの話です。
結論
現行通り、案内標識の国際表示部分を`int_name`とする。
以上