JA:Japan/JP surveyact and OSM

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このページは、日本における測量法の内容と、OSMの主にライセンスに関わる運用についてまとめています。

測量法の概要について

日本では、陸地の測量に関する事柄を規定する法律として、測量法が施行されています。

測量法に基づいて作成されたデータ(測量成果)を利用する際には、測量法で定められた事務手続きを行うことが必要なケースがあります。このページでは、OpenStreetMapで測量成果を利用する際の注意事項や手続きについて解説します。

測量した結果のデータ(測量成果)のデータは、その利用方法によって、測量を実施した機関への申請が必要な場合があります。 申請には2つの種類があります。

  • 使用申請:元のデータを加工し、不可逆な別の形式に変換してから公開する場合
  • 複製申請:元のデータに対し、独自情報の追加などの修正を加えて公開する場合

また、利用方法によっては、機関への申請が不要なケースもあります。 詳しくは測量成果についてのページを参照ください。

「基本測量」と「公共測量」

測量法では、「基本測量」と「公共測量」という2つの測量業務が定義されています。

これは測量を行う主体(測量業務の発注元)がどこの機関か、によって、どちらの測量になるかが変わります。

  • 基本測量:国土地理院が行う測量
  • 公共測量:主に地方自治体などその他の団体が行う測量

測量法に基づく「使用」や「複製」の申請は、測量計画機関(つまり、測量業務の発注元)に対して行う必要があります。

すなわち、データセットが基本測量である場合は「国土地理院」に対して申請を行うことになります。

逆に、データセットが公共測量の場合は、その測量作業を発注した機関に対して行います。

公共測量実施情報ページでは、それぞれの測量事業に対して測量計画機関が明記されていますので、その機関の連絡先を調べ、そこに対して申請を行います。

OSMにおいて主な利用対象となる測量成果

基本測量成果

公共測量成果

測量法の対象ではない地理院地図データ

国土地理院が公開しているデータが、常に測量成果というわけではありません。

例えば、以下のデータは測量成果ではありません。

測量法の対象ではないデータセットを利用する際には、測量法に則った申請フローではなく、国土地理院が定めている利用規約に沿って利用することになります。

OSMで許可されている利用法

OSMF Japanは国土地理院と協議し、以下の利用法の場合は測量法の申請を行うこと無く利用可能であることを確認しています。

  • 地理院地図タイル(標準地図タイル、シームレス航空写真タイルなど)をトレース
  • 基盤地図情報をタイル化してサーバでホスティングし、そのタイル画像をトレース

航空写真のタイル化について

測量成果として撮影された航空写真をタイル化してインターネットに公開し、OpenStreetMapでトレースする際には、測量法の「使用申請」を提出し、測量機関の承認を得ることが必要です。

OSMF Japanは、各機関に使用申請を行い、承認を得た上でタイル画像の公開を行っています。

詳しくはOSMFJ/ortho-tilesのページを参照ください。

OSMでの利用可否一覧

よくあるケースについて、利用の可否や、どのような対応を行う必要があるかについて表形式で記載します。

データ種別 測量法区分 利用方法
OSMへのインポート トレース
基盤地図情報の生データ 基本測量 ✗ 不可 ✓ 使用申請を提出し、タイル化した結果はトレース可能
住居表示住所フロンテージ情報 基本測量 ✗ 不可 △ 未検証
地理院地図タイル 基本測量 - 該当なし ✓ 可能
航空写真 公共測量 - 該当なし ✓ 使用申請を提出し、タイル化した結果はトレース可能

申請方法

基本測量の申請方法

国土地理院のウェブページから申請を行います。

申請ページで指定されている様式を埋め、申請を行ってください。

公共測量の申請方法

公共測量の申請方法は2つあります。

国土地理院による代理申請

測量成果ワンストップサービスが利用可能です。

国土地理院と協定を結んでいる自治体・機関の場合、ワンストップサービスから申請を行うと、まず国土地理院が申請内容のチェックを行い、内容がOKの場合は地理院から自治体に申請が回覧されます。

以下のウェブページから申請を行うことができます。

各自治体・機関への直接申請

ワンストップサービスの協定が締結されていない自治体や機関の場合、申請はそれぞれの自治体や機関の担当部局に対して行う必要があります。

申請先や申請方法は自治体・機関によって異なります。また、場合によっては専用の申請フォーマットが用意されている場合もあります。

まずはそのデータセットの申請先となる測量計画機関を調査し、メールや電話で申請方法を確認することが有効です。

なお、測量法に基づく申請は非常にマイナーな事務処理であり、申請先の担当者が対応方法を把握していない、あるいは申請対応の前例が無いケースがしばしばあります。

その場合は、後述するように、OSMF Japanに相談ください。

オープンデータと測量法

地方自治体によっては、測量成果のデータセットをオープンデータとして公開している場合があります。

それらのデータセットをOSMで利用したり、インターネットで公開する場合には、測量法に基づく申請を行う必要がある場合があります。

ケースとして多いのは、航空写真のオープンデータをタイル化して利用する、などです。(逆に、POIのデータセットが測量成果になることはほぼありませんので、インポートするケースはほぼ無いはずです)

この場合、そのデータセットを作成した市町村への測量法申請が必要になります。航空写真のタイル化の場合は、使用申請となります。

市町村の担当者と連絡を取り、必要な申請を行ってください。

OSMF Japanによる測量法の申請

OSMF Japanはこれまでも、国土地理院との協議や、測量法に基づく各団体への申請を行ってきました。

過去の実績:

もしあなたが利用したいデータが測量成果として指定されており、その利用方法について疑問や質問がある際には、ぜひOSMF Japanまでご連絡ください。

そのデータセットが適切に利用できるよう、サポートを行います。